西条美咲さん

さいじょう・みさき  

女優・モデル。上海万博ジャパンディ メインアトラクションオープニング(2010)出演。映画『白日夢』(2009)で主演、『赦免花』(2012)でヒロインを務める。また、『新宿ミッドナイトベイビー』(2009)、『女優』(2010)、『サロメ』(2014)、『サギムスメ』(2017-2018)等多数の舞台作品でも主演を担当している。

美術検定1級、秘書技能検定2級、ハングル能力検定準2級、情報処理検定2級、タイピングエキスパート検定2級、乗馬検定4級、漢検準2級、英検準2級を取得。

 

 

 

Q1 美術検定を受験しようと思ったきっかけをお聞かせください。

 

役者として感性を磨くために積極的に美術館を訪れていたので、美術検定の事を知ったときはチャンスだと思いすぐに受験を決めました。

 

美術検定の知識があれば、美術鑑賞をより楽しめ人生がきっと豊かになる。また日本美術について学べば、舞台などで時代劇を演じる際にその時代背景がよく分かり、作品の理解も深まると思いました。

 

 

Q2 美術検定の受験に向けて、どのような勉強をされたのでしょうか。

 

とにかく本物をたくさん見て感じるために、毎日のように美術館に足を運びました。

東京・ミュージアム ぐるっとパス」*を活用したり、検定の教材の中で出てきたレストランなども利用したりして、楽しみながら、約3か月間集中して鑑賞に取り組みました。

 

対策問題集は、馴染みのある西洋美術から解き始めて、特にその日美術館で見た作品に関する部分やその周辺を読みこみました。

検定のための勉強というよりは、美術を楽しみながら理解を深めていくよう心がけていました。

 

 

 

Q3 美術に関して新しい知識や、新しい楽しみ方など、発見はあったでしょうか。また、お仕事や生活上で活かされていることなどありましたら教えてください。

 

難しそうだと思っていた、日本美術について学ぶきっかけになりました。日本美術は実際に見に行けるものが多く、とても親しみが持てました。

 

また浮世絵は、その時代の生活が良く分かるので、江戸時代の時代劇に出演する際、衣装や小道具の扱いの参考にもなりました。その時代の風景、人々が何を食べていたかなど、その時代に入り込むための情報がたくさん詰まっていました。

 

絵画の中に自分が入り込んでイメージトレーニングをすることが、役者として欠かせない活動と楽しみになりました。絵画の中に入り込み、朝日を感じ、風や香りを感じ、周りの人物たちの会話を想像して、いろんな世界にタイムトリップしています。

舞台は(映画やドラマと違い)何もない目の前の空間にその世界を作り出して、観客に伝え、感動を届けるために、より想像力と表現力が必要です。美術品と向き合うことは、想像力と表現力を磨くためにとても役立っています。

 

 

 

Q4 これから美術検定を受験される方に、おすすめの勉強法があれば教えてください。また美術に関する本やTV番組、インターネットのサイトなど、良くご覧になっているもの・おすすめのものがあれば教えてください。

 

ただ暗記していくよりも、実際に作品を見て感じて自分のものにしていくのが楽しくて、また一生の財産になると思います。今は新型コロナウイルス感染症の影響で、なかなか遠出できないので、「Google Arts&Culture」*で海外の絵画をたくさん見るのも楽しいですよ。

 

購読している雑誌は、『和樂』『芸術新潮』『Casa BRUTUS』で、好きなTV番組は『日曜美術館』と『新美の巨人たち』です。

 

また、『ナショナル・ギャラリー 英国の至宝』など、美術関係の映画を鑑賞するのもおすすめです。美術作品が作られた時代背景や人物の感情に関して深い洞察があり、とても参考になるドキュメンタリー作品があります。

 

 

 

Q5 美術館での3密対策など、美術鑑賞の環境も変わりつつあります。今どのように美術を楽しんでいらっしゃるか、またこれからどのように美術を楽しんでいきたいか、お聞かせください。

 

美術検定を通して焼き物が好きになり、備前焼や信楽焼、赤膚焼、清水焼などの器で料理の盛り付けを楽しんでいます。また、SNSに投稿してその楽しさをシェアしています。

他には、浮世絵のコレクションもはじめて自宅で鑑賞したり、自分自身も、油絵を描いたりもしています。

 

役者としても、豊かな人生を送るためにも、美術は欠かせないものになっています。

 

 

 

「東京・ミュージアム ぐるっとパス」*…東京都歴史文化財団が発行する、東京を中心とする美術館・博物館の入場券・割引券が1冊にまとめられたチケットブック

 

「Google Arts&Culture」*…Googleが提供する、世界中の美術館・ギャラリー・教育機関等に所蔵される数万点におよぶアート作品をオンライン上で閲覧できるサービス

 

※本インタビューは2020年9月に収録されたものです。

 

No. of products by the author
0
Review
0(0)
No. of students
3405