ユリオカ超特Qさん

ゆりおか・ちょうとっきゅう

お笑い芸人。漫談家。芸能界屈指のプロレスファン。プロレスに関するネタや、スキンヘッドを売りにしたハゲネタを披露している。NHK『爆笑オンエアバトル』、NTV『エンタの神様』、EX『アメトーーク!』などに出演。

美術検定2級、剣道初段、教員免許(社会科)を取得している。

 

 

 

 

Q1 美術検定を知ったきっかけ、受験しようと思ったきっかけをお聞かせいただけますか。

 

もともと、趣味で美術を見るのが好きで、大学時代にはよく京都の美術館に行ったり、仕事を初めてからも出張の際に美術館に立ち寄ったりしていました。新婚旅行ではパリに行ったのですが、ルーヴル美術館、オルセー美術館、オランジュリー美術館、ポンピドゥー・センターなど美術館ばかりをまわっていましたね。

 

美術検定は4級、3級、2級と順に挑戦し、4年前に2級に合格しました。最初のきっかけは、六本木に当時あった書店の美術コーナーで、美術検定のチラシを見たことです。芸人の中でも検定や資格を取るブームがあったのですが、まわりに美術検定を取っている人や美術を語るような人はいなかったので、挑戦してみることにしました。

 

 

Q2 美術検定を受験してみていかがでしたか。また、どのような勉強をされたのでしょうか。

 

美術検定は3級からむちゃくちゃ難しくなる!(笑)日本史や世界史もわかってないといけませんよね。社会科はもともと好きだったので、その知識は役立ったと思います。それに、京都に住んでいた時は、お寺に行くのが好きだったので、仏像には馴染みがありました。それでも仏像の種類を覚えるのは大変でしたけど・・!

 

あと、西洋美術はキリスト教を題材にした作品が多いので、キリスト教がわかると理解しやすくなりますよね。そのことに気がついて、聖書についての漫画や本を読み、キリストの物語や主要な人物などについてざっくりと掴みました。『Pen BOOKS15 キリスト教とは何か。』は、とっつきにくいテーマをわかりやすく解説してあってオススメです。

西洋美術の宗教画って、日本人には馴染みが薄いですよね。でも、宗教画に興味が持てると、美術ってもっと面白く見られるんだなと実感しました。

 

それから、3級以上は、20世紀後半以降の現代アートの問題が出てきます。もともとは、ゴッホやマティス、ピカソなど19世紀末~20世紀初頭の西洋美術が好きだったのですが、好きな分野に関わらず、意識的に興味を広げるようにしました。現代美術についても情報を収集し、展覧会にも出かけるようにしていました。

 

 

Q3 美術に関して新しい知識や、新しい楽しみ方など、発見はあったでしょうか。

 

テレビ番組や映画などについても楽しみの幅が広がりました。例えば、『ミッドナイト・イン・パリ』という映画には1920年代のパリの芸術家たちが出てきますが、全然知らなかったらそれほど楽しめなかったと思います。

先日テレビで見た、美術品の運搬に密着したドキュメンタリー番組も良かったです。2級受験の際には、アートの仕事や美術展の裏側についても勉強していましたから興味が持てました。

普通のドラマのワンシーンにも、意外と知ってる美術館や作品が使われていたりして、そういうことに気がつくようになると、またちょっと面白くなりますよね。自分の見えるポイントが変わったことを実感して嬉しかったです。

 

それから、やっぱりお寺で見る仏像っていいなと。仏像って美術展ではスポットライトを浴びて華々しく展示されてるけど、お寺では自然に置いてある。前の仏像が邪魔して後ろのほうの仏像はよく見えないこともあったりして(笑)、でもそれが好きなんですよ。展示のことや、美術品の文化的な背景とかを勉強したのもあって、改めて本来のままに展示されている仏像の良さに気付きました。

 

 

Q4 これから美術検定を受験される方に、おすすめの勉強法があれば教えてください。また美術に関する本やTV番組、インターネットのサイトなど、良くご覧になっているもの・おすすめのものがあれば教えてください。

 

僕はトイレに入った時には必ず美術検定のテキストを読んでいました(笑)

 

とはいえ、勉強と気構えすぎず、リラックスして美術番組などを見ながら学ぶのがいいのではないでしょうか。『日曜美術館や『新美の巨人たち』、『開運 なんでも鑑定団』などのテレビ番組を見て、気になったキーワードを調べる。まずは、そうやって気になったことから調べたり、覚えやすいところから覚えたりします。そこから徐々に、周辺の人物やジャンル、同時代の他の動向などと関連づけて把握していくとわかりやすいですよ。私は◯◯派とかは覚えにくいですが、人物から覚えると他のことも派生して覚えられました。

 

 

Q5 ちなみに、プロレスにも精通されているユリオカさんですが、プロレスと美術に共通点はありますか?

 

美術と同様に、プロレスにも美があります。実は共通点がいろいろあるんですよね。そのあたりは語り出すと止まらないのですが(笑)、美術もプロレスも、分かるとどんどん面白くなる。どちらも知らない人からしたらハードルが高い世界と思いますが、私が美術とプロレスの橋渡しのような役割も担えたらと思っています。

 

 

※本インタビューは2020年9月に収録されたものです。

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